(まえがき)
恭一さんと今ヶ瀬といえば、公式のリバカップルとして有名ですね。
今ヶ瀬×恭一さん
恭一さん×今ヶ瀬
そのどちらでも読める話があったらおもしろいな、と思って書きました。お好きな左右でお読みください😊
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REVERSE
行為の最中に名前を呼ばれることが、こんなに幸福な気持ちのするものだということを、はじめて知った。
ゆっくりと侵入してきた陰茎をすべて受け入れ、一つに繋がった瞬間、せつなげなうめき声とともに、彼が耳元で囁いたのだ。
熱に掠れた声で呼び返すと、すぐに唇をふさがれた。
他の誰でもない、自分が彼に求められているのだというよろこびが、身体の快楽と共鳴して膨れ上がり、ひとつの大きな波となって、理性をはるか遠くにさらっていく。
はじめはかたちを慣らすように、慎重だった腰の動きが、痛みを感じていないことを知ると、徐々に深く、遠慮のないものになっていった。
動物じみた体勢で、気持ちのよい場所を探りあう。漏れる吐息のあいまに「もっと欲しい」と伝えると、彼の動きがより激しくなった。
分水嶺に近づいていくあいだの、焦れるような快感を腰を揺すって味わっていると、ふいに視線がからみあった。
その目から「愛してる」という想いが伝わり、唐突に達しそうになり声をあげる。その声が、自分でも驚くほど甘い。
——男のあえぎ声なんて、気持ち悪い。
そう思われるのではないかという一抹の怯えは、彼と何度か交わるうちに消えていった。
我を忘れて声をあげ、快感に溺れる自分の痴態に、彼が激しく興奮していることに気づいてからは、声を抑えることをやめた。
他の誰も知らない、二人だけの行為なのだ。彼になら、どんな恥ずかしい姿も見られていいと思えた。
どのように身体を使い、どのように愛撫すれば気持ちがよいのか、回数を重ねるたびに互いが理解し、得られる快楽にはてがない。
甘い叫び声をあげながら彼の名前を呼ぶと、ぐいと強く抱きよせられた。
強烈な一体感にのけぞった首筋に、すかさず熱い唇が押しあてられる。快感を煽るように何度も吸われて、頭の芯がじわりとしびれた。もう目を開けていられない。
少しでも絶頂から逃れようと悶える身体を、彼はしっかりと組み敷き、気持ちのよいところを容赦なく攻め立ててくる。
みるみるうちに、熱い昂ぶりが一点に集中し、堪えきれずに射精した。
すると、息をつく間もなく彼に脚を持ち上げられ、さらに深く貫かれた。彼しか届かない奥の場所を、えぐるように何度も突かれる。
これまででもっとも大きな波が、たちまちすべての感覚を、意識ごとさらっていった。
ふと目を覚ますと、間接照明の淡い光に照らされた、白い天井が目に入った。
激しい絶頂を迎えたあと、そのまま眠ってしまったようだ。隣には、同じように裸のままの彼が、静かな寝息を立てていた。
思う存分、愛しあった感触が残る身体で、ゆっくりと息を吸い、深いため息をつく。
起きた気配を感じたのか、彼も目を覚まし、こちらの方に身体を向けた。どちらからともなく脚を絡ませ、肌を寄せあう。
表情は見えなかったが、抱きあった瞬間、彼が微笑んだのが分かった。
「愛してます」
「俺もだよ」
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